風疹(三日ばしか)

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風疹(三日ばしか)とは

風疹

風疹とは、風疹ウイルスによって引き起こされる、発熱・発疹(皮膚にできる水ぶくれや吹き出物のこと)・リンパ節腫脹(リンパ節が腫れ上がる症状)がみられる感染症です。感染すると症状の進行がはやいのも風疹の特徴です。麻疹(はしか)に似た発疹が出ますが、3~4日で治るので、三日ばしかと呼ばれています。

風疹は、ウイルスを持った人のせきやくしゃみなどを吸い込むことで感染します。感染しても発病しない(不顕性感染)人の割合が20%以上と高いのが特徴です。一度風疹にかかれば、免疫は一生続くと言われています。感染力は、麻疹(はしか)、水痘(水疱瘡)より弱いと言われています。

ウイルスの潜伏期は14~21日ほどで、発症すると発熱とともに赤い発疹がほぼ全身に現れます。発疹は3日ほどでなくなり、熱も微熱で終わることが多いです。ただ、まれに合併症を起こすこともあるので注意してください。

例えば、血小板減少性紫斑病という血小板の数が減り出血がしやすくなってしまう病気(3000〜5000人に1人が発症)や、急性脳炎(4000〜6000人に1人)が挙げられます。風疹ウイルスに対する薬はないため、症状に応じた薬の服用や治療がなされます。

妊娠中の女性がかかると、心臓病や難聴などを抱えた赤ちゃんが生まれる可能性が高いといわれています(先天性風疹症候群と呼ばれます)。妊娠2カ月以内の女性が風疹にかかると、白内障、先天性の心臓病、難聴などを持って生まれてくることが多いとされています。妊娠3~5カ月で感染した場合でも難聴が多くみられます。

他にも赤ちゃんに、肝臓や脾臓の腫れ・血小板の数の減少・緑内障・小頭症・髄膜炎・眼の病気・子宮内での発育の遅れ・精神や運動に関する発達の遅れなどの症状が認められるケースがあります。
ただし、すべて場合において病気・障がいを持つとは限りません。

※先天性の心臓病について
動脈管開存症、肺動脈狭窄症、心室中隔欠損などが報告されています。

風疹(三日ばしか)の原因

風疹

風疹にかかるのは、風疹ウイルスを保持する人のせき・くしゃみ・唾液を吸い込むことにより発病します。
かかりやすい年齢は5〜15歳ですが、成人がかかることもあります。最もうつりやすい時期は、発疹が出ている時です。
3〜10年の間隔で流行するといわれており、春から初夏によく流行ります。一度かかれば免疫は一生続くと考えられています。

風疹(三日ばしか)の検査と診断

風疹検査

麻疹(はしか)や水痘(水疱瘡)と違い、3徴候(発疹・リンパ節腫脹・発熱)のいずれかの症状だけで医師が診断することの難しい病気なのです。
そこで、他の病気ではないことを明らかにするため、検査をする必要があります。
例えば、溶血性連鎖球菌(細菌の一種)による発疹や伝染性紅斑(リンゴ病のこと)などとしっかり識別するため、血液検査を行ったりします。

風疹(三日ばしか)の主な治療法

風疹治療法

風疹ウイルスを退治する特効薬はありません。自然治癒に任せることになりますので、症状を和らげる治療がメインになります。予防接種法という法律に基づき、1歳以降に風疹生ワクチンの接種を受けます。

現在、風疹ワクチンは麻疹・風疹混合ワクチンとして、第1期(1歳児)と第2期(小学校入学前年度の1年間にあたる子)に計2回接種します。2回ワクチンを接種することで免疫を強め、成人になってから麻疹(はしか)や風疹にかからないようにするためです。

麻疹(はしか)と風疹の予防接種対象が拡大され、接種機会を逃し1回しか接種されなかった子どもも、2回接種できるようになりました。(対象: 第3期/中学1年生相当世代、第4期/高校3年生相当世代  期限:2008年4月1日から5年間)

風疹ワクチンは風疹にかからないこと・流行らせないことを目的としています。また妊婦が風疹にかかり、生まれてくる子どもに悪影響を及ぼさないようにも考慮されています。しかし、妊婦は風疹ワクチンの接種を受けてはなりません。ですので、成人女性がワクチンの接種を受ける場合は、接種後2カ月間は避妊することが大切です。

風疹(三日ばしか)に関するQ&A

Q.風疹に効く治療薬はありますか?
A.風疹ウイルスに効く薬はありません。症状に応じて、その症状を和らげる治療をするのみです。
1歳を過ぎたら、予防接種を受けましょう。現在は、麻疹・風疹混合ワクチンです。
詳しくは各地域の自治体に相談しましょう。
Q.風疹は、一度かかれば二度とかかりませんか?
A.一度自然にかかれば一生免疫が続くとも考えられています。
また感染しても発病しない割合が高く、20%以上といわれています。
Q.風疹の抗体の値は、どのくらいあれば大丈夫ですか?
A.風疹の抗体価は、8以上となっています。8以上あれば、問題ありません。
Q.風疹にかかった場合の、通園・登校はどのようになりますか?
A. 通園・登校は、発疹が消えるまでは、禁止となります。
風疹ウイルスは、麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)ほど感染力は強くありません。どのくらいの感染力かというと、発疹が出る7日前から発疹出現後14日くらいまでは、のどからウイルスが出ているものの、発疹が出て5日を過ぎるとウイルスはかなり少なくなります。
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