ジベル薔薇色粃糠疹
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ジベル薔薇色粃糠疹とは
この皮膚疾患は、ジベル薔薇色粃糠疹(じべるばらいろひこうしん)と言われ、突然、全身あるいは体幹を主とした部位に紅斑(赤い斑点)がたくさんでき、その紅斑の体幹における配列模様がクリスマスツリーの様に見えるのが特徴です。
ちなみに、ジベルとは、フランスの皮膚科医でこの病気を初めて論文に記載した医師の名前です。発熱、倦怠感などの皮膚病にありがちな痒みもほとんどなく、多くの場合は自然に治る病気でもあるのでほとんど心配はいりません。
この病気はお年寄りや子どもにはあまり発症する事がなく、20~30歳代に多く見られ、夏よりも冬に多いと言われています。再発の心配はほぼなく、はじめに軽い風邪の症状があり、その1~2週後に突然指先くらいの大きさの紅斑が体中にたくさんできて受診される方が多いようです。
親指ほどの大きさの赤みの少し強い、楕円形の発疹が大量に生じます。これがジベル薔薇色粃糠疹の本症状になります。
全身に紅斑が多発する皮膚疾患には、時として薬疹、ウイルス性発疹など重症化するものもあるので注意を要します。その他にジベル薔薇色粃糠疹によく似た病気で、梅毒2期疹、脂漏性皮膚炎、乾癬、ジアノッティー症候群、癜風などがあります。多発性の紅斑が生じたら、早めに皮膚科専門のクリニックを受診されるのが良いでしょう。
ジベル薔薇色粃糠疹の原因
この病気の原因は未だ解明されておらず、様々なケースが考えられます。
1番多いケースは、一般細菌感染・ウイルス感染を伴い、感染症の症状として皮疹がでる場合で、皮疹の出現する数日前に扁桃腺が痛いなどの症状があるケースです。他に、ある種の薬疹としてみられるケースもあります。これらのことと他に病巣感染アレルギー、自己免疫、自家感作皮膚炎なによる二次的な反応と考えられていますが、詳しいことは不明です。したがって、症例により原因を知るために血液検査を行うようになります。
そして大事な点は、この病気自体が伝染することはありません。
ジベル薔薇色粃糠疹の主な治療法
ほとんどの場合は特別な治療がなくても1~2ヶ月で症状は改善して痕を残さずに自然治癒します。まれに痒みなどの不快な症状が出ることがあり、外用薬や内服薬を処方することもあります。
かゆみを伴う場合や発疹がひどい場合には、皮膚科を受診して治療をする必要があります。かゆみに対しては服用抗ヒスタミン薬、発疹に対してはステロイド外用薬が用いられます。通常は数週間で治癒するケースがほとんどです。
ジベル薔薇色粃糠疹という病気自体は過度に心配する必要はありませんが、薬疹やウイルス性発疹などの病気や体部白癬などの病気と識別することが難しいので、皮膚科の医者に相談することが大切です。そして、他の病気を患っているにもかかわらずジベルばら色粃糠疹だと誤って放っていると、後に重い症状が現れる場合があるので注意が必要です。
ジベル薔薇色粃糠疹に関するQ&A
- Q.聞いたことのない病名で、予後が心配です。
- A.予後は良好で発疹が長く続いても跡形もなく消えます。
- Q.妊娠中になっても、胎児は大丈夫ですか?
- A.妊娠中に発病しても胎児奇形を起こしたり、流産などの心配はありません。
- Q.ジベル薔薇色粃糠疹は、再発しますか?
- A.ウイルスに対する免疫が出来るため、再発はほとんどみられません。
- Q.普段の生活で気をつけることはありますか?
- A.通常であれば、長期間かかるかもしれませんが、なにもせずとも治癒の経過をたどります。
しかしながら、発疹に対して、掻く、触る、掻きむしるなどの行為はせず、つねに清潔に保つようにしましょう。